読書会の学習内容と感想

シルバーバーチの霊訓

❏ 読書会の学習内容と感想

今年最後の読書会です。前半は一年を振り返り、一人ひとりに自分の好きなシルバーバーチの言葉をその理由と共に話していただきました。後半はシルバーバーチの苦の哲学「苦しみの意義」について学びました。

12月の学習内容 

               

シルバーバーチの苦しみの意義




< シルバーバーチの苦しみの意義 >

人生には自分ではもうどうすることもできないような苦しみがあります。「苦しみは不幸そのもの」「何としても避けたいもの」これが人間にとっての常識です。ところがシルバーバーチは苦しみを良いもの・ありがたいものと言っています。シルバーバーチは苦しみの意義を地上だけの見方ではなく、人間がたどる道を見通した霊的視点で明らかにしています。

地上生活には時として辛さと絶望、痛みと悲惨さが伴いますが、その全てが魂にとって永遠の旅路に向かうための準備なのです

『シルバーバーチの教え・上』 P109/7~8

シルバーバーチは苦しみの全てが「永遠の旅路に向かうための準備」だと言っています。永遠の旅路とは永遠に続く霊的成長の道のことです。人間は神から分霊を与えられ地上に誕生し、その時点から個として永遠に霊的成長の道を歩み続ける宿命にあります。それは神が人間に与えた最大の宿命です。地上、霊界を通して人生の目的は「霊的成長」です。それは人間にとって一番大切な霊的宝であり、生きる目的そのものです。シルバーバーチは永遠の宝である霊的成長が苦労を通して与えられる。だから苦しみは良いこと・ありがたいことだと言うのです。シルバーバーチの「苦の哲学」は、物質世界の常識では考えられないまさに高級霊の視点です。

「困難は、魂が向上するための階段です。困難・障害・ハンディキャップ ― こうしたものは魂の試練なのです。それを克服した時、魂はより強くなり、より純粋になり、より深くなりいっそう進化するようになるのです。無限の可能性を秘めた魂の潜在能力が、困難も苦痛もなく、陰も悲しみも悩みも悲惨さもなしに発現すると思われますか。発現するはずはありません。

『シルバーバーチの教え・上』P109後6~1

シルバーバーチは「困難は魂の向上、霊的成長のための階段です。」と言っています。 苦しい階段も必死で登って克服した時、霊的に進化すると言うのです。「魂の潜在能力」とは、神が人間に与えた今は表に表れていない「神と同じ性質の部分」です。その「無限の可能性を秘めた」隠れた資質は、無限に成長する可能性を持っているということです。その資質は、困難や、悲しみ、華やかではない陰の体験によって発現するとシルバーバーチは言っています。困難も苦痛もないような人生では、その資質は「発現するはずがない」「成長しない」とまで言い切っているのです。つまり困難もないような状況では、成長する種、霊の資質が開花しません。眠ったままですよ。ということです。ですから、問題のない人をうらやむ必要は何もないのです。今苦しい状況にいる人は、問題から逃げずにそれを克服したなら、人間にとって最も価値ある「魂の向上」が得られるのです。シルバーバーチは苦しみに大いなる価値を認めています。さらに「苦しみ」が、人間を霊的に成長させる具体的な理由は・・・苦しみによってカルマ(前世で自分が犯してしまった摂理違反の行為・今の地上人生で作ってしまった摂理違反)が解消されることです。摂理違反の行為は、「それに見合った苦しみを受ける」という形で必ず起こってきます。カルマによって、霊的成長のレールから外れた状態では成長できません。しかし人間は本来霊的成長をするように創られていますから、自動的に摂理によって霊的成長の道に戻るような状況が展開していきます。それが苦しみとなって起こってくるのです。苦しみは霊的成長の道へ戻るために良いことと言えるのです。また苦しみは霊的覚醒を促します。「もうこの世に頼るものはない」と悟った時、霊的覚醒が起こります。そこに至ってようやくそれまでの物やお金、名声が大切という物質的価値観から抜け出ることができるようになり、神や霊界といった本質的なものがわかるようになります。苦しみには「魂を霊的に目覚めさせる」という利点があります。人間は苦しみがなくては霊的なことに目を向けることはできないのです。また苦しみは魂を鍛えます。同じ苦しみが来ても、魂が強くなればなるほど苦しみを乗り越えていけるようになります。

葛藤を余儀なくさせられる困難が多いほど、それだけ魂が成長するものです。 霊的自我に目覚めるのは、厳しい環境を克服しようとする闘いの中において こそです。

『シルバーバーチの教え・上』P169/6~8

苦しみの経験は、同情心、思いやりの心を養い、真の愛の持ち主にします。苦しみを多く経験した人ほど人の心の痛みが わかるようになり、他人に対して深い愛を持てるようになります。苦しみの経験が利他愛を深くする。つまり霊的に成長するということです。霊的成長は人生の目的そのものです。また、苦しみによって霊界の霊たちとの絆が深まり、霊的影響力を受けやすくなります。物質的視野しか持っていない地上人に霊的真理を与え、考え方を変えさせる霊界人の苦労と忍耐は大変なものです。特に守護霊は一人ひとりの背後に寄り添い、霊的覚醒に向けてずっと導いてきてくれました。そしてさらなる霊的成長に向け、今も導き続けてくれているのです。私たちが多くの苦しみを体験することで、はじめて霊界人の苦労を知ることができるようになります。互いの絆が強くなると、霊界人は地上人に働きかけやすくなります。地上人の霊的成長に向けて指導しやすくなるということです。シルバーバーチの苦しみの見解はこの世の常識、またこれまでの宗教の教えとは180度違います。苦しみこそ霊的成長のチャンスなのです。

スピリチュアリズムに出会ってからも、さらなる霊的成長のために必要なときに苦しみが起こってきます。が、霊的真理を武器に実践し、霊的真理にしがみついて苦しみを乗り越えて行くのです。どん底を経験してはじめて霊的に上昇していけるのです。苦しい事が起こってきたら、シルバーバーチの言葉を思い出してください。自分は永遠の霊的成長という旅をしている「霊」であったということ。唯一霊界に持っていけるものは、地上で経験した苦しみや困難を通して得た「霊的成長という宝」だけだということ。霊的成長に苦しみは欠かせないものだということを必ず思い出してください。これからは霊的真理を土台として、もっと力強く生きていくことができます。苦しみや困難に、正々堂々と立ち向かっていきましょう!

❒ 12月 読書会の感想

●選んだシルバーバーチの言葉
「人間は大きな悲劇に遭遇して初めて霊的なことに関心を抱き始め、その拠ってきたる源を探ろうとします」

霊的新時代の到来のP99後ろ4~1



18年前母親の死を経験して、本格的に死後の世界や自分とは何だろうという疑問(シルバーバーチの言っている―その拠ってきたる源)を知りたいと思うようになった。その当時の自分の気持ちが思い出され、本当に苦しみは霊的覚醒のきっかけになると思った。またスピリチュアリズムに出会ってよかったと思うことは、自分が霊であり、永遠に霊界で生きて行くということを知ったこと。驚きでもあった。地上生活は霊的成長のためにあり、一時の住処だと知ったことも自分にとっては大きかった。また、以前宗教に入っていたので、神の概念が大きく変わった。真実の神は人間的な神ではなく、人間の願望に関係なく働く「摂理の神」であるというもの。摂理にそった生き方が重要で、その意味では全ての人間が神の前に平等であると思った。また守護霊の存在を知ったことは、大きな安心につながった。いつも見ていてくれる存在がいて、誰一人として見捨てられている人はなく、ひとりぼっちの人間はいないということ。スピリチュアリズムを体系的に学ぶようになって、それまでの考え方が大きく変わった。今日「苦しみの意義」を学んで、苦しみ、悲しみ、困難は、地上生活では避けては通れないという消極的な考え方を改めて、霊的成長のために必要な教材なのだと捉えることができるような、強靭な精神が持てるように努力していきたいと思います。

選んだシルバーバーチの言葉
「たった一つの魂を高揚してあげることができたら、喪の悲しみに沈む1つの魂に慰めを与えることができたら、意気地のない1つの魂に生きる勇気を与えてあげることができたら、人生に疲れ切った一つの魂に生きる力を与えてあげることができたら、それだけで十分にやり甲斐のある仕事と言えるのではないでしょうか。」

シルバーバーチの霊訓 12巻 P164/後ろ4~1



読書会を通して苦しみの本当の意味を再確認しました。日常では霊訓と祈りを読んで、心の迷いや悩みの答えを自分なりに出そうとしています。読書会に来ると、まず澄み切った心でこの会の成功を祈ります。静かな空気の中でシルバーバーチの言葉を学んでいくと、なにかほっとするような温かさを感じます。守護霊や背後霊と共に改めて学びなおしているかのようです。すると「何が問題なんですか?」と自分に言いたいくらい苦しみが苦しみでないような、小さなものに見えてきます。他人が大きな苦しみに直面しているのを見ても「大きな宿題ですね」と落ち着いて見守ることができるような気がします。

●選んだシルバーバーチの言葉
「地上世界での身分の高い低いは重要なことではありません。もしあなた方が、たった一個の魂であっても引き上げることができるなら、暗闇の中にいる人に光を届けることができるなら、無知の牢獄の中にいる人を解放することができるなら、あなた方は大霊に奉仕していることになります。」

教え下 P188/後ろ4~P189/2



シルバーバーチの霊訓を学んで、これまでの自分は物質世界での価値判断で生きてきたと気付いた。社会的な身分の高さなどを判断基準にしていたことがまちがっていたと気付かされた。仕事でも組織の利益をあげることに意識がとらわれていたと思う。
今日は苦しみの意義について学びました。
今まで苦しい時はそこから逃れることを考えたり「何故自分がこんな事を経験しないといけないのか」となげいたりしました。しかし、今日の読書会で苦しみは霊的成長のチャンスであることを学びました。これからは今経験している苦しみが自分に何を教えてくれようとしているのかを考え、苦しみを甘受し、それを乗り越えて成長することに意識を向けるようにします。日々の生活は全て自分の霊的成長のためにあることを、単なる知識として記憶しているだけでなく、心から理解できるように努力いたします。

●シルバーバーチを読んでいて最もよいと思うのは「人のために尽くすことが真の宗教」というところ。シルバーバーチの言う「生き方」を実践していきたい。シルバーバーチを学んでいる人と話ができることが日常ではほとんどないので、読書会で同じ話題で話せることがうれしい。苦しみの意義についてとても勉強になりました。「苦」こそ霊的成長の薬であり、その「苦」を乗り越えることこそ人生における大事な経験であるということがよく分かりました。悲しい過去の経験を思い出しても、あの悲しみが自分の霊的成長、霊格をあげるために必要だったんだと、改めて考えさせられました。もう年齢的にも死が近づいていますが、今後もいかなる苦や悲しみをも糧として、死後の生活がより豊かになるべくがんばっていくつもりでおります。

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